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事業とお金

  • 2025.12.24

【2025年最新】インボイス特例が「3割控除」に 2年延長で何が変わる?

2026年9月末で終了する予定だった2割控除のインボイス特例措置。ところが2025年12月19日に負担軽減措置の延長が2016年10月1日〜2018年9月30日まで2割特例から3割特例への方針が示されました。
その内容と影響、今後どう考えるべきかを分かりやすく解説します。

Index

そもそもインボイス制度の「特例措置」とは?

インボイス制度では、本来であれば「インボイス(適格請求書)」を発行できない事業者からの仕入れについては、消費税の仕入税額控除が一切できません
しかし制度開始と同時にそれを完全に適用してしまうと、取引先・事業者ともに影響が大きすぎるため、段階的に控除を減らしていくための救済措置として用意されたのが「経過措置(特例措置)」です。

この特例により、インボイス未登録事業者との取引であっても、一定割合については仕入税額控除が認められてきました。
ただしこの割合はずっと同じではなく、制度開始から徐々に引き下げられています。

最初は8割、次に5割、そして現在は3割。つまりこの特例措置は、「いつまでも続く優遇」ではなく、インボイス制度へ移行するための猶予期間という位置づけです。

しかし、2023年10月のインボイス制度開始が近づくにつれ、多くの取引先から「インボイス登録(適格請求書発行事業者登録)はされていますか?」と確認を受けるようになりました。取引先側にとっては、仕入税額控除を10割確保できるかどうかが重要であり、その点を考えれば自然な流れとも言えます。

結果として、消費税を「満額」受け取り、これまでと同じ条件で取引を続けるためには、インボイス登録を選択せざるを得ない状況になっていった、というのが実感です。

Web制作者はサービス業のため措置終了後は「実質5割納税」になる

Web制作者やデザイナー、エンジニアといった職種は、税区分上は「サービス業」にあたります。
この点が、インボイス制度では非常に重要です。

なぜなら、サービス業は仕入れが少なく、人件費や外注費が中心になりやすいため、もともと仕入税額控除が取りにくい構造だからです。

例えば、インボイス未登録のまま課税事業者になった場合、

  • 売上で預かった消費税は満額納税対象
  • 仕入税額控除はほぼ使えない(特例終了後はゼロ)

という状態になります。

結果としてどうなるかというと、預かった消費税のうち、おおよそ半分近くをそのまま納税する形になりやすく、「実質5割納税」と言われる状況が生まれます。

物販のように仕入れが多い業種であれば、仕入税額控除によってある程度相殺できますが、Web制作のようなサービス業では、この負担感が非常に大きくなります。

2023年10月の制度開始時は、対象期間が実質2か月分だったこともあり、正直なところ大きな実感はありませんでした。
「多少は増えるだろうな」くらいの感覚で、まだ現実味は薄かったと思います。

しかし、翌年の2024年分の消費税の納税額を目にした瞬間、思わず鳥肌が立ちました。
「2割って、こんなに大きかったんだ」これが率直な感想でした。

これが2026年10月以降からに5割と考えると、正直なところ泣きたい気持ちになりました。それが個人事業主・フリーランスでWeb制作をやっているすべての人の本音だと思います。

特例措置が2年延長されたことで、何がどう変わる?

今回の改正で、「仕入税額控除の特例措置」が2年間延長されることになりました。ただし、ここで注意したいのは「内容が緩和されたわけではない」という点です。

延長されたのはあくまで期間であり、控除率はすでに引き下げられた3割のままです。つまり、

  • インボイス未登録事業者との取引でも
  • 消費税のうち3割しか控除できない状態

が、さらに2年間続く、ということになります。

これは「安心材料」というよりも、最終判断を先送りできる猶予が少し伸びただけと捉えたほうが現実的です。

特例がある間は完全に控除ゼロにはなりませんが、控除できない7割分の消費税は、実質的にコストとしてのしかかります。
そして2028年9月30日でその特例も終わってしまいます。2年なんてあっという間です。

私達にできること

私の場合、2023年のインボイス開始前に「change.org」という署名サイトに署名をし、僅かですが寄付も行いました。インボイス制度に反対している団体は色々あります。2025年消費税申告における納税額は8,004億円で前年に比べて約1,154億円(約16.8%)増加しています。昨今の物価高の影響もありますが、このインボイス制度も影響していると思います。

1人でできることは限られていますが、Web業界に限らず、すべての業種の個人事業主・フリーランスで働いている人が声を上げたらいつかはこの制度は廃止されるのではと思っています。